五要穴とは、複数ある要穴グループの一つです。
要穴とは、全身に数多く存在するツボの中でも、「とくに臨床上において重要な働きを持つ経穴」を総称して呼んでいます。
【主な要穴】
・五要穴
・五兪穴(五行穴)
・四総穴
・八会穴
・八脈交会穴(八総穴・八宗穴)
・交会穴
・下合穴
今回は、この中でも「とくに現場での使用頻度が高く、重要とされている経穴」が、この「五要穴(ごようけつ)」です。
五要穴は、その役割から以下の5つに分類されます。
・原穴、郄穴、絡穴、募穴、兪穴
それぞれ存在する場所を「体のどこにあるか(部位)」でざっくりと2つに分けることができます。
四肢(手足):原穴、郄穴、絡穴
体幹(胴体):募穴(お腹側)、兪穴(背中側)
ここからは【原穴、郄穴、絡穴、募穴、兪穴】
それぞれの特徴ついて、もう少し詳しく見ていきましょう!
① 原穴(げんけつ)
原穴は、各経絡を流れる原気(元気)が多く集まるところです。
- 特徴と臨床的意義
原穴には、原気(元気)の状態がそのまま現れます。「霊枢」や「難経」といった古典においても、臓腑の病には原穴を用いると定められており、診断・治療のベースとなる経穴です。
💡 国試対策ポイント!
陽経には独立した原穴がありますが、「陰経の原穴は、五行穴の兪(土)穴が兼ねている」という法則があります。
【第34回 問題121】
原気が集まるとされ、体が重だるく関節が痛むときに用いる経穴の部位はどれか。
1.手背、第2中手指節関節橈側の近位陥凹部
2.足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部
3.手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上
4.足背、第4・第5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部
引用元:東洋療法研修試験財団 はり師きゅう師国家試験
② 郄穴(げきけつ)
「郄」という字には、骨と筋肉との「すきま」という意味のほかに、「閉じる、しりぞける」という意味があります。
- 特徴と臨床的意義
骨や筋肉のすきまにあり、「もとの状態に戻す」「すみやかに邪をしりぞける」といった力を持つとされています。最大の特徴は、急性症状の反応点・診断点・治療点として用いられることです。問題文などで「急性」と見たら、まずは各経絡の郄穴を思い浮かべましょう。
💡 国試対策ポイント!
陽経には独立した原穴がありますが、「陰経の原穴は、五行穴の兪(土)穴が兼ねている」という法則があります。
【第34回 問題156 】
郄穴を用いて循経取穴による治療を行う場合、最も適切なのはどれか。
「38歳の女性。主訴は左側頭部痛。目の前がチカチカしてから1時間以内に痛みが起こり、拍動性で嘔気を伴う。発症すると痛みのため仕事を休んでしまう。」
1.孔 最
2.外 丘
3.金 門
4.中 都引用元:東洋療法研修試験財団 はり師きゅう師国家試験
③ 絡穴(らくけつ)
絡穴は、本経脈が他の経脈と連絡するために分支するところです。
- 特徴と臨床的意義
この穴にはその経脈の虚実が非常に現れやすくなっています。一つの絡穴にアプローチすることで、表裏する経を同時に治療する作用があるため、主に慢性症状の反応点・診断点・治療点として広く用いられます。
💡 国試対策ポイント!
主証となる経脈の「原穴」と、表裏関係にある経脈の「絡穴」を組み合わせる「原絡配穴法」を用いた症例問題がよく出題されます。
【第34回 問題145】
次の経脈病証に対して原絡配穴法で治療する場合、治療穴の組合せで最も適切なのはどれか。
「動悸と胸苦しさ、上肢痛があり、その後、耳鳴りと難聴も発症した。」
1.大 陵 ー 外 関
2.神 門 ー 支 正
3.大 陵 ー 内 関
4.神 門 ー 通 里引用元:東洋療法研修試験財団 はり師きゅう師国家試験
④ 募穴(ぼけつ)
募穴は、すべて陰の部(胸腹部)に位置し、臓腑の気が多く集まるところです。
- 特徴と臨床的意義
臓腑にそれぞれ1つずつ存在しますが、かならずしも同名の臓腑の経脈上にあるとは限らず、任脈や胸腹部に存在するものもあるのが特徴です。腹部の診断・治療において重要な指標となります。
⑤ 兪穴(ゆけつ)
兪穴は、すべて陽の部(背腰部)の足の太陽膀胱経上にあり、臓腑の気が注ぐところです。五兪穴の「兪穴」と区別する意味から、一般的に「背部兪穴」と呼ばれます。
- 特徴と臨床的意義
厥陰兪を除き、すべて臓腑名と同じ名前(例:心兪、肝兪など)が付けられています。

